半年ぶりの再訪 レスプリ ミタニ (恵比寿/フレンチ) -後編-
「半年ぶりの再訪 レスプリ ミタニ (恵比寿/フレンチ) -前編-」の続きです。
「ニク喰うぞ~」という闘志が湧き立つカトラリーが登場した。 このフォルムでおわかりの通り、皆さんご存知ラギオール(ライヨール)村のものだが、 珍しい"Laguiole"の書体と鳥(鷹?鷲?)のマークにいつもより興味が湧く。 ラギオール産のカトラリーが出されたときの私たち夫婦のお約束。 ホンモノのラギオール産かどうかのチェックも忘れずに。(もちろんホンモノ) 雉。そう、桃太郎さんのお供についたキジである。 五本木の「ボン・シュマン」で山雉をいただいたことはあったが、こちらはモノホンの雉。 (ただ、私は雉と山雉の違いをはっきりと知らないのだけれど・・。(^^;;) ソースは甘そうに見えたが、いただいてみるとそれほど強い甘みはない。 雉は脂が美味しく、お肉(赤身)の味は鳥類だけあってサッパリしつつも奥行きがある。 濃厚なソースと、このさっぱり目のお肉のバランスがおもしろい。 このお店らしいパンチの効いた味付けでワインが進む。 実は席に着いてすぐ、シャンパンをいただいているころに、 このような肉の山がテーブルにデデンとやってきた。 鴨、ホロホロ鳥、うずら、仔羊、そして今年の干支のイノシシ。 調理法を聞いてみると、どの御肉もグリルかソテーにして出されるとこと。 私たちはさんざん悩んだ後、この中から雉を選んだのだ。 (前日はポトフ仕立てだったようだ。できればポトフが食べたかったな。) この日は早い者勝ちで好きなお肉を選べた。 早起き(?)は三文の徳ってことか。 デザートは3~4種類の中から選択できた。 こちらは夫が選んだ「タルト・タタン」。 強めに焦がした(キャラメライズされた)甘苦い味が、モロに私好み。 私が選んだのはクリームブリュレ。 一口食べた夫が「ん?塩辛いで。」と言うので、お店の方に聞いてみると、 栗とチーズ(トム・ド・サヴォワ)が入っているとのこと。なるほどー。 こちらも濃い目の味付けで、お酒と合わせたくなるデザートだった。 最後はエスプレッソ(別料金)でシメ。 目と鼻の先にある家に帰ってから飲もうかな・・・・ という考えが一瞬頭をよぎったセコい自分がちょっと恥ずかしい。 二度目の訪問となる「レスプリ・ミタニ」は「おまかせコース」しかないお店だ。 最初にサービスの方に苦手なものを伝えて、コースがスタートする。 お料理はご覧の通り繊細なフレンチではなく、ガッツリとしたビストロ系。 もちろんそこらへんの安ビストロのそれとは一線を画したものだ。 そしてとても強い、パンチのあるお料理が続くので、 どちらかというと男性向け、お酒を飲む人向けのものだと思う。 ところで、前回の訪問時にも思ったのだが、 どうしても10%のサービス料にガテンがいかない私たち。 決してサービスが悪いわけではない。 だが量的に足りていないのだ。 どんなにサービスの質が良くても、 店内を一人で切り盛りしている状態では、 全てのテーブルに気配り目配りができない。 ムリだ。 少なくとも客側はサービス担当者をつかまえるのに一苦労する。 現に玄関先でのコートの出し入れも、サービス担当者を待ちきれず、 自分たちでやってしまったし。(これは単に私たちがせっかちなだけか?) 「こんなんでジュッパー(10%)とるかー」 というのが私たちのホンネ。 この日のお会計は3万円(コースが7,000円、ボトルワインが8,000円)だから、 サービスチャージは3,000円ってこと。あれ、やっぱり私たちがセコいのか・・。 なんだかんだいっても、この日も店内は満席。 20歳前半(私たちの隣席のカップルは大学生のようだ)から 50歳代後半までの男女が好き勝手にミタニ氏のお料理を楽しんでいた。 そして私たちも、またこのお店を訪問することになるのだと思う。 (ま、なんといっても近いしね。) 大暖冬とはいえ、お店の外はさすがに冷え込んでいる。 軽いジャケットだけでやってきた私は、 10年ぶりのアイススケート(手すり磨き)で筋肉痛になった足をひきずり、 ブルブルと震えながら自宅に戻った。 ◇2007年2月の食事記録です。 目黒区三田1-12-26 地下1階 TEL : 03-3712-0369 http://www.lesprit-mitani.com/ 訪問記録(2006/07) 前編・後編
by picot-picot
| 2007-02-20 08:05
| ├西洋料理
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Comments(18)
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gion-sakanaya at 2007-02-20 09:41
わかる!わかる!わかります!
これは自分の職をさておいてのプライベートの時に思うことですが 満足のいく又納得のいく事にお金を払いたいとよく思います たとえ少ない金額でもおかしいよなってこと・・・ これが自分の店に置き換えると気付いてないことがあるのではとこころもとなくなることも良くありますが・・・
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camille_31 at 2007-02-20 13:00
最近、小さなお店、お料理はおまかせ1コースのみ、というお店が増えていますが、
20席ほどでサービスが一人しかいない、ってやっぱりちょっと無理がありますよね。 もちろんお料理が美味しいことが一番なんですが、そこに気持ちのいいサービスがあったら、更に美味しく楽しくなりますよね。 いくらお料理が美味しくてもサービスが悪いと再訪する気がおきないし・・・。 でもお料理はどれも美味しそう。 私なら、ホロホロ鳥を食べてみた~い。 こんなお店がご近所にあるなんて、羨ましいです!
んーーー、デザートにいたるまで私の好みようでして、ヨダレが~~。
もともとこの方の作るお料理は好きで、オーバカナルの頃は時々行きました。 給仕の方が一人なのにサービス料10%ですかー。 せっかく美味しいお料理をいただいても、最後に疑問が起きるのってなんだか残念でもったいないですよね。 逆に、すごくいいサービスなのにサービス料込みのお店もあったり、そのあたりレストランの考え一つでずいぶんと印象が変わってしまいますね。
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tnk_atk at 2007-02-20 16:46
このナイフにはお揃いのフォークもあったんですか!ナイフしか見た事ありませんでした。カッコいい〜
要らんけど欲しい。 ”日本=店員がうじゃうじゃいる”という印象があるのですが、こういう高級なレストランはぎりぎりでまわしてるってかんじなのですね。 でも、サービス料ってお客が決めるべきですよね? そのうち日本でもチップが導入されるのかな・・・
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harumisan at 2007-02-20 17:50
hiyokoさんに横レス。。
あ~オーバカナルにいらっしゃった方なのですね。なんとなくビストロ料理というのが納得。原宿時代なのかしら? 個人的にはアークヒルズ(何年前か忘れたけど)のお味が好きでした。 紀尾井町はいまいちでしたね~。(いずれも時期によってシェフは違うと思いますが) こういうお料理は、アラカルトでいただきたいような気がします。 サービス料3000円!!ってわかっちゃいと驚きですよねー。 生のお肉を持ってこられるというのもすごいなぁ・・・。 肉食人種の方には垂涎ものかしら?
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picot-picot at 2007-02-20 21:26
■gion-sakanayaさん:
そうなんですよ。やはり納得して支払いたいですよね。 特に私はしがないサラリーマン。 限られたお給料を有効活用したい、せざるをえないんですよ。 料金総額はこれぐらいでもかまわないと思うのですが、 サービス料と明示されていると、やっぱり気になってしまいます。
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picot-picot at 2007-02-20 21:30
■camille_31さん:
経営面から考えて、どうしても人を雇えないケースもあると思う のですが、その場合はやはり「サービス料」をとるのはどうかと 思ってしまいます。ランベリーも10%だったので、よけいにそう 思ってしまったのかもしれません。 #オーグードジュールなんてサービス料なしですよね。 比較したら可哀想かもしれませんが。 ちなみに、サービス料のつけ方に疑問符がつくだけで、 サービスそのものが悪いわけではないし、 (サービス料を含む)料金総額はこんなもんだと思うし、 お料理も結構好み(酒飲みにピッタリ)なので、 また行くと思います。 予約が取れれば、、になりますが。(^^;;;
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picot-picot at 2007-02-20 21:36
■hiyokoさん:
ふふ、オーバカファンのhiyokoさん。ぜひ一度行ってみてくださいな。 「繊細なお料理じゃなきゃイヤ」なーんてことがなければ大丈夫。 本場っぽく味付けは濃い目ですが、ワインが進みますよ~。 サービス自体が悪いわけではないのです。 サービスマンさんのカラダを空くのを待たなきゃいけないだけのこと。 それだけ覚悟して出かけてくださいねー。 #家から手を振りますね!(^^)
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picot-picot at 2007-02-20 21:39
■tnk_atkさん:
いいでしょー、このカトラリー。私も要らんけどほしいです。 以前よくお世話になっていた奈良のフレンチのシェフご夫妻に 聞いたのですが、ニセモノもあるようなんですよ。 店員がうじゃうじゃいるレストランももちろん多いですよ。 二極化(というほどオオゲサなものでもないけど)しているのかなあ。 チップ制。面倒だけど、自分で決めることができるのは良いかも。 あ、でもやっぱりダメ。ケチな自分を再認識しそうでこわい。
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picot-picot at 2007-02-20 21:42
■harumiさん:
オーバカにお詳しい! 私はいまだに大崎にしか行ったことがありません。 (大崎にはパン屋しかないのです。) 生のお肉。なかなか壮観でしたよー。 昔よく行っていたレストランでは、羽根をむしる前の鴨とか、 うさぎの肉の塊を見せてもらいました。 合掌してからいただいています♪
この場をお借りして。harumiさん、こんばんは!
三谷シェフは、オーバカナル一号店である原宿のオープニング時のシェフでした。 原宿のオーバカナルは本格的なフレンチカフェの走りで、味・サービス・雰囲気・客層、すべてにおいて好きなお店でした。 あそこにいるだけで、ちょっとパリの気分だったような気がします。 パンも美味しかったですし。 トイレが地下にあったというのもなんだか本場っぽくて。 あの当時のスタッフが、三谷シェフはじめいろいろ活躍されているようです。 モレスクやボブイユなんかもそうらしいですよ。
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harumisan at 2007-02-21 20:52
hiyokoさん。お返事ありがとうございます。
なるほどー。オープニングのシェフの方だったんですね! 私もフランスかぶれなもので(昔はもっと)東京にいてパリの香りがする!なんて喜んでしょっちゅう行ってましたよ。 もう最近は、バカナルには行っていないです。なんとなく。 (フランス熱が冷めたのかな?) ボブイユにも行ってみたいし、そうそう、モレスクには近々行く計画が あるんですよぉ。
私がいつもこのお店の前を通るとき、ガランガランなので人気がないのだと思っておりました~。
兄が以前行ったらしいのですが「良くなかった」の一言。何が良くなかったのかは不明なのですが・・・。。picotさんの記事を拝見する限りでは良くないの理由がわかりません。機会があれば行ってみたいなぁ。 それにしても生肉を目の前で出してくれるなんて、スゴイですね。デザートもおいしそ~!
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picot-picot at 2007-02-23 07:48
■hiyokoさん:
ポブイユも同じ系統(?)の方だったんですか。 ミタニもポブイユも繁華街ではないところに出店している ところが似ていますねえ。お店の雰囲気は全然違うのですけどね。 ポブイユも良いですよ。こっちがほんとのビストロですね。
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picot-picot at 2007-02-23 07:50
■harumiさん:
ポブイユは古きよきビストロというお店です。 他店に比べて男性が多いのですが、もっと男性客が増えてほしいお店。 あ、そうそう。場所柄、オシャレなオヤジがよく出没しています。 (もちろんうちの夫のようなカイシャインもいますが)
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picot-picot at 2007-02-23 07:56
■ちーたろうさん:
うーん、味の好みは分かれると思います。 結構本場っぽい味で、しっかりとした味がついているのですよ。 あとメニューを選べないので、自分の好みに合うものが出るかどうか、 その日の運任せになっちゃいますよねー。 でもお兄様、何がよくなかったのかは気になりますよね。 味かな、雰囲気かな、サービスかな? うちの場合はサービス料金のチャージの仕方が気になるところで、 サービスに不足があること自体は問題にしていないのですが、 そういうのが許せない人もいるだろうし・・・。 うむ。ちーたろうさんに来ていただくのを待つしかない!(笑)
美味しそうですね!ラギオールについてのブログを開設しました。ラギオールの本物・偽物議論についても説明しています。宜しければ遊びに来て下さい。
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picot-picot at 2007-06-28 21:22
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食べたり飲んだりの記録
by picot-picot
Welcome & Thanks 昨日、久しぶりにログインしました。いただいたコメントに長らく返信しておらずゴメンナサイ。また投稿が途絶えているのに、ブログをご覧いただいているようなのですが、私の記事、ほんっとうに古いですよ・・。ぜひぜひ別のソースで最新情報をご確認くださいね。そして誤りがあればご指摘くださいませ。[2016/01/10]
自分のために残す食事記録。それがこのブログのテーマです。気ままに更新しているので、コメントのお返事が遅れることもありますし、あまり他の方のブログも読んでおりません。失礼をしておりますが、どうかご容赦くださいませ。 [2011/02/05 10:18] 最新10件のtwitter 最新3000件のtwitter 旅ブログ~私の旅を記録中~ わー、旅ブログもやっていたんだ・・と思い出しました。 [2016/1/10] ブログ内検索はGoogleで picot-picotの連絡先 picot.exblog.jp★gmail.com ★印を"@"に変更してご利用ください。(返信が遅くなってしまうかもしれません。あらかじめご了承くださいませ。非公開コメントをご利用いただいても結構です。) 私的メモ ・肉:中勢以 ・甘:近江屋洋菓子店 おしらせ 2010年7月からブログ記事内にテキスト広告が入ることになりました。 この広告に掲載されている商品やサービスはpicot-picotが勧めているものではありません。 エキサイトブログ(無料版)では広告を非掲載にできず申し訳ありませんが、どうかご了承ください。 最新の記事
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